強引な副社長との政略結婚は甘すぎます

出会いはどうであれ、幸せを

「あっ……別に私は大丈夫ですよ」
少し明るく言った私に、少しほっとした様子を見せて翔太郎さんは話をつづけた。

「本当はきちんと説明をしてから、優里香をつれていくつもりだったんだけど……。どう話して言いかわからなかった」

「そうだったんですね」

私は翔太郎さんの俯く横顔を見つめた。

「わかったと思うけど、俺と父親はうまく行ってない。理由は……」
そこまで言って言葉をとめた翔太郎さんの、苦悩に満ちた表情に、私は言葉を掛けた。

「話したくなってからでいいです。またいずれ」
少し微笑んで見せると、翔太郎さんは小さく頷いた。

「だから、俺と優里香の結婚を指示した祖父とも距離がある。祖父は絶対に俺と優里香を結婚させたかった。だから早急に強引に優里香をさらうような事をしてしまった。そしてこ優里香を巻き込んでしまった。本当に申し訳ない」

初めのころから違和感を感じることがあったが、やはりこの結婚には多くの人が関わっていることが分かり、私の心にも不安が広がった。

どうしても避けることができず、私と結婚したとのだろう、その事実に私の心はズキッと痛んだ。