出会いはどうであれ、幸せを

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いつのまに、こんなに翔太郎さんとの生活、いや、翔太郎さんの事が大切になっていたのだろう? 自分でも驚く感情に、私はギュッと唇を噛んだ。 この感情の名前を、しばらく忘れていたこの苦しい気持ちが恋だと、私はようやく自分で認めるしかなかった。 何を言っていいか分からない私に、翔太郎さんは顔を上げて私を見た。 「でも優里香。俺はお前とこうして生活して、初めて安定した幸せな生活を送れてる。それは信じて欲しい。政略結婚として始まった俺たちだけど、俺は優里香と本当に夫婦になれるように努力していきたいと思ってる」 その言葉に私は、涙が零れそうになり慌てて翔太郎さんから目を背けた。 「優里香、その涙はやっぱり俺との結婚は嫌って事?でも俺はお前を幸せにするから、俺を好きにさせてみせるから。だから」 グイっと目を背けていた私の頭を抱き寄せると、翔太郎さんは私を自分の胸の中に閉じ込めた。 トクントクンと心地よい翔太郎さんの鼓動に、私は耐え切れず涙が流れた。
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