結婚相手って!?

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「ああ、見つけた」、「今から連れてく」そんな言葉が上から降ってきて、電話の相手がなんとなく分かった気がして、冷や汗が背中をつたった。 良くない事が起こっている事が理解できてしまい、私はまたもや逃げなきゃとカバンに手を伸ばした。 「おーっと!お嬢ちゃんもう逃げられないよ」 電話の相手ではなく、自分に向けられた言葉だとわかり、私は顔を歪めた。 「翔太郎、お前のお姫様、意外に跳ねっ帰りだぞ」 翔太郎という言葉に、最悪の状況を悟りギュッと唇を噛んだ。 今の言葉はなに?お姫さまって完全に馬鹿にしてるね……。そして跳ねっ帰り?何よそれ。 昨日のお父さんたちの身勝手な話に始まり、今日のこの理不尽な言われよう。 周りから追い込まれるこの状況に、だんだんと怒りが湧いてくるのがわかった。 私が何をしたって言うの? 先祖が何よ!不幸になるって誰がよ? 私だけが不幸じゃない! いいわよ、会えばいいんでしょ? 向こうから断らせてやる! 「その電話の相手に会わせて!」 勢いに任せて、息荒く言った私に、まだ何やら話をしていたその男は驚いたように目を丸くした後、「もちろん。お姫様」とニヤリと口角を上げた。 あーもう!偉い人だろうが、おばあちゃんだろうが、もう知らない!
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