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なによ……これ。
うちのリビングが5個も6個も入りそうな広さの場所は、遠くの窓の外に東京の夜景が広がり、モデルルームの様なインテリアが並べられていた。
そう。まるでモデルルームの様な部屋のはず……。
「なあ、どうしてこうなるんだ?翔太郎」
ため息交じりに言った晃さんの言葉に、翔太郎は平然とした顔で10人は座れそうなソファに腰を下ろした。
そう、モデルルームのような部屋なのに、そのソファーの上には着ていただろうスーツが散乱し、高そうなテーブルはもちろん、その下のフローリングにも紙や本が散らばっていた。
そのスーツや書類を手に取り、手早く片付ける晃さんをぼんやりと見ながら、私はリビングの扉の前に立ち尽くしていた。
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