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「ねえ、俺と結婚したくないの?」
何を分かり切ったことを聞いてるのだろうと、私はわなわなと震える手で拳を握りしめ、キッと奴を睨みつけた。
「当たり前です!何で好きでもない人と結婚したいんですか。……あなただって嫌でしょ?」
さすがに心の中で呼んでる、翔太郎だの、あんたとは言えず、私は最後は少し声が小さくなった。
「へえ、俺と結婚すればお金に困らないよ?この顔だって見放題」
この人本当に有名大学をでた天才?うちの副社長?バカじゃない?
「そんなもの何になるの?」
小さくため息をついた私を見て、翔太郎は初めてみる表情を見せた。
その表情から、怒っているのか、喜んでいるのか、私には読み取ることはできない。
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