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「当時の将軍に君の親は嫁がせようとした」
私の言葉を無視して続ける翔太郎に、呆れつつももう私は何かを言うのを諦めた。
「そして君は無理やり嫁がされた。しかし世が世だ。沢山の女の争い。本当に愛した人との別れ。君の先祖は子供を産むとその子を連れて逃げ出した。しかし逃げきれる訳もなく、呪いをかけて、恨みつらみを言って亡くなった。まあ、簡単にいうとそう言う話らしい」
「恨みつらみって……」
なぜか私が悪いみたいになってるけど……。
「それを、俺の祖父母も、君のおばあさまも信じて生きてきた。だから何がなんでも結婚をさせなければと思ってる」
特に返事をしない私に、翔太郎は話を続けた。
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