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そしてその日はすぐにやってきた。
話を聞いたその週の日曜日が私の誕生日。
今日が土曜日だから、がもう明日の話だ。
小さくため息をついて、いつもならウキウキとした休日の朝のはずだが、重たい身体を引きずるように私はベッドから出た。
結局考えるとは言ったものの、何をどう考えるべきかわからず今日まで来てしまった。
嫌われて向こうから断らせる作戦だったはずだが、なぜか逆に社員の為にと頭を下げられてしまう結果に、なす術もなくなってしまったのが現状だからだ。
あれから、両親はただニコニコといつも通りだし、私としても夢だったのではないか?そんな風にも思っていた。
相変わらず、会社では雲の上の存在で、この一週間翔太郎の姿さえ見なかった。
同じ場所にいるのだろうか?そんな事すら思うぐらいだった。
顔でも洗うか……。
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