お姫様じゃない!

19/28

645人が本棚に入れています
本棚に追加
/130ページ
そしてその日はすぐにやってきた。 話を聞いたその週の日曜日が私の誕生日。 今日が土曜日だから、がもう明日の話だ。 小さくため息をついて、いつもならウキウキとした休日の朝のはずだが、重たい身体を引きずるように私はベッドから出た。 結局考えるとは言ったものの、何をどう考えるべきかわからず今日まで来てしまった。 嫌われて向こうから断らせる作戦だったはずだが、なぜか逆に社員の為にと頭を下げられてしまう結果に、なす術もなくなってしまったのが現状だからだ。 あれから、両親はただニコニコといつも通りだし、私としても夢だったのではないか?そんな風にも思っていた。 相変わらず、会社では雲の上の存在で、この一週間翔太郎の姿さえ見なかった。 同じ場所にいるのだろうか?そんな事すら思うぐらいだった。 顔でも洗うか……。
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!

645人が本棚に入れています
本棚に追加