お姫様じゃない!

22/28

645人が本棚に入れています
本棚に追加
/130ページ
『お告げどおり明日、婚姻届けを出そうと思います』 『そうだね。それは絶対だからね』 父と約束する翔太郎の言葉に、私はもう我慢できず扉を開けた。 「ちょっと!勝手に……」 「優里香!」 グイッとわざとらしい笑顔で私を抱き寄せて、翔太郎はしゃべらせないように私を自分の胸に押し付けた。 「おはよう。優里香。パジャマ姿もかわいいね」 何が優里香よ!文句を言おうと思ったところで、 「仕事を首になりたくないだろ?俺に恥をかかせるなよ?」耳元で半ば脅迫のように言った翔太郎の言葉に、私はグッと言葉を飲み込んだ。 そして、だんだんとこの密着した姿勢を、自分で理解してしまった事を後悔した。
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!

645人が本棚に入れています
本棚に追加