ルームシェアじゃないんですか?

6/41
前へ
/130ページ
次へ
「あの、私達結婚したと言っても、契約だし、いつまで続くかもわからないし、これは受け取れません」 真っすぐに言った私に、翔太郎は驚いた表情を見せた。 「いらない?」 「はい。こんな素敵な所に住まわせて頂いてるだけで申し訳ないです。私にはたぶん半分の家賃も払う事は出来ないので……」 「そんなもの必要ない」 そう言うとは思ったけど……。これ以上いろいろな事をしてもらう事はできない。 所詮他人だしね。 「そう言って頂けるのなら、家賃、光熱費はお願いしますので、食費や自分に掛かる費用はきちんと自分でします」 当たり前の事を言っただけなので、納得ができない翔太郎の事は他っておくことにして、私はまた立ち上がった。 「お仕事まだあるんですよね?私の事はきにせず続けて下さい。私も自由にさせてもらうので」 「すまない。ありがとう」 素直にお礼を言われ、私は慌てて首を振った。 調子が狂うよ……。 仕事をしていないときは、私をからかってイジメてばかりなのに……。
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!

646人が本棚に入れています
本棚に追加