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「あの、私達結婚したと言っても、契約だし、いつまで続くかもわからないし、これは受け取れません」
真っすぐに言った私に、翔太郎は驚いた表情を見せた。
「いらない?」
「はい。こんな素敵な所に住まわせて頂いてるだけで申し訳ないです。私にはたぶん半分の家賃も払う事は出来ないので……」
「そんなもの必要ない」
そう言うとは思ったけど……。これ以上いろいろな事をしてもらう事はできない。
所詮他人だしね。
「そう言って頂けるのなら、家賃、光熱費はお願いしますので、食費や自分に掛かる費用はきちんと自分でします」
当たり前の事を言っただけなので、納得ができない翔太郎の事は他っておくことにして、私はまた立ち上がった。
「お仕事まだあるんですよね?私の事はきにせず続けて下さい。私も自由にさせてもらうので」
「すまない。ありがとう」
素直にお礼を言われ、私は慌てて首を振った。
調子が狂うよ……。
仕事をしていないときは、私をからかってイジメてばかりなのに……。
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