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「別にそんなの無いから……。あなたの会社や私たちの周りの人が不幸にならなければそれでいいです」
いつのまにか、呪いを信じている言葉を発した自分にも驚いたし、「どうせ政略結婚だし」などという否定の言葉を翔太郎になぜか使う事もできなかった。
「そうか」
それだけを言った翔太郎の気持ちは、私には分からなかった。
「明日、秘書に頼んで出させておく」
翔太郎の瞳が、最終確認だぞと言っている様な気がして私は俯いた。
本当にいいの?
こんな結婚。
でも……。
翔太郎が呪いを信じているかは別として、何かの為に結婚をしようとしているのは確かなような気がして、私は呟くように答えた。
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