ルームシェアじゃないんですか?

23/41
前へ
/130ページ
次へ
「わかりました」 「俺はまだ仕事をするけど……」 時計を見ると22時半を過ぎていた。 「じゃあ、私は部屋に戻ります」 そう言うと、翔太郎はそっと私を抱きしめた。 「ありがとう」 急に言われたお礼の言葉に、私はどう返事をしていいか分からなかった。 腕を離され、翔太郎は私の頬にそっと触れると、「おやすみ」そう言って自分の書斎に歩いて行った。 「おやすみなさい」 後姿に呟くように言った私の言葉が、翔太郎に届いたかは分からなかった。 そして一番わからないのは、自分の気持ちかもしれない。 私は自分の部屋に戻ると、熱いシャワーを浴びてベッドに潜り込んだ。
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!

647人が本棚に入れています
本棚に追加