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「なにそれ？」
翌日の昼休み、同期入社で友人の水野円花と、会社の近くの和食のお店にいた。
「だからそのまま」
白米を口に運びながら、昨日の話を端的に話した私に、円花はポカンとしたまま私をみた。
「呪い？」
「そう。あれ？呪い？恨み？なんだっけ？なんかよくわかんないけど、ご先祖様がこの時代に生まれた男女が結婚しないと不幸になるとかなんとかね」
ようやく目の前の鮭の西京焼きに、手を伸ばしながら、円花は呆れたように言葉を続けた。
「そんな時代錯誤な話あるんだ……」
「でしょ？今どきドラマでもこんな話無いと思わない？」
「まあ、ないわね。あったら、視聴率取れなさそう」
円花も同意するように、何度も頷くとジッと私をみた。
「ねえ、でも優里香それでいいの？牧野さんのこと気になるって言ってたじゃない」
うっ……。
牧野さんというのは、総務部の先輩で密かに私が憧れている人。
２歳年上の彼は、優しくて頼りになる人だ。
「よくないけど……。でもおばあちゃんの言う事は絶対で断れなかったみたいで……」
呟くように言った私に、円花は箸を止めて何かを考えるような表情を見せた。
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