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「翔太郎……お前……」
「なんだよ……」
コーヒーカップを口に持っていきながら、相変わらずの不機嫌そうな翔太郎さんに、私はいたたまれず口をはさんだ。
「晃さん、ごめんなさい!なんか私が……」
何かを言ってしまったのだろう。急に不機嫌になった翔太郎さんに、私は小さく俯いた。
「いや、お姫ちゃんのせいじゃないから。ありがとね、頂きます。優里香ちゃんも食べよ?」
笑顔を向けてくれた晃さんの言葉に、私もおずおずと席に戻った。
そうすると、翔太郎さんが晃さんに何か怒ったように耳打ちをした。
なに?
「ほら……翔太郎またお姫ちゃんが不安がってるぞ。あー、お前ってさ」
そう言いながら、晃さんはすごいスピードで朝食を平らげると、チラリと私をみた。
「ごちそう様。翔太郎遅れるなよ。車にいる」
それだけ言って、私にヒラヒラと手を振ると、颯爽と家をでて行ってしまった。
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