ルームシェアじゃないんですか?

40/41
前へ
/130ページ
次へ
「翔太郎……お前……」 「なんだよ……」 コーヒーカップを口に持っていきながら、相変わらずの不機嫌そうな翔太郎さんに、私はいたたまれず口をはさんだ。 「晃さん、ごめんなさい!なんか私が……」 何かを言ってしまったのだろう。急に不機嫌になった翔太郎さんに、私は小さく俯いた。 「いや、お姫ちゃんのせいじゃないから。ありがとね、頂きます。優里香ちゃんも食べよ?」 笑顔を向けてくれた晃さんの言葉に、私もおずおずと席に戻った。 そうすると、翔太郎さんが晃さんに何か怒ったように耳打ちをした。 なに? 「ほら……翔太郎またお姫ちゃんが不安がってるぞ。あー、お前ってさ」 そう言いながら、晃さんはすごいスピードで朝食を平らげると、チラリと私をみた。 「ごちそう様。翔太郎遅れるなよ。車にいる」 それだけ言って、私にヒラヒラと手を振ると、颯爽と家をでて行ってしまった。
/130ページ

最初のコメントを投稿しよう!

647人が本棚に入れています
本棚に追加