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「牧野さん。おはようございます」
「で?なんで?」
諦めてよ。
全く前のようにドキっとしなくなった自分にも驚いたが、どうしてこんなに私の早起きが、気になるのかわからず私はジッと牧野さんを見た。
「別に意味はないですよ。時間に余裕を持ちたくて」
「へえ?そっか……」
意味深な言い方をした牧野さんに、町屋先輩が不思議そうに声をかけた。
「牧野くん、別に笠井さんが早起きしてもおかしくないじゃない?どうしてそこまで気にするの?」
その言葉に、牧野さんはすぐ横の椅子に座ると、少し考えるような仕草をした。
「いや……。実は何日か前に、笠井がいつもの電車と違うホームから来るのをみて、男でもできたのかなって興味本位」
クスリと笑って言ったその言葉に、私はドキッとした。
見られた?
どうする?引っ越したことにする?それとも……。
悩んで言葉を止めた所に、周りのざわめいた声が耳に入った。
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