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「ああ、見かけが弁護士っぽくないからそう思うんだろうけど、国際弁護士資格も持ってるすごい人よ。確か晃さんのお父様も同じ仕事で、代々この清水グーループを管理されてるんじゃなかったかしら?」
町屋先輩は、思い出すように言った後、私を見た。
「そうなんですね……」
とてもそんなすごい人だと思っていなかった私は、曖昧な返事をした。
「それに、あの神崎さんのルックスだろ?社内の女子社員は、副社長派だの、神崎派だの、そんな噂話ばかり俺でも聞くけどな」
そうだったのか……。
確かに、ビジュアルの整った二人だとは思っていたど……。
全く興味の無かった人たちが、自分とこんなに係わっていることが不思議な気がして、もう一度チラリと晃さんが入っていった部屋の方角を見た。
「でも、本当にめずらしいわよね。神崎弁護士がわざわざこのフロアにいらっしゃるなんて」
「そうだな」
二人は珍しく現れたその人の話を続けていた。
婚姻届け……弁護士に頼むって言ってたっけ?晃さんだったのかな……。
そんな事を思ったが、私は始業とともにいつもの自分の仕事を始めた。
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