II. 星と大地と、耕作さん

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「10倍も!?なぜそんなにたくさん?」 「地球は我々がその行く末を最も懸念している惑星(ほし)だからだ。」 「最も懸念されている?地球が?」 「うむ。君も面接の際に話していたようだが我々が地球に派遣されることになったきっかけは環境破壊、温暖化、多くの争いや紛争、核燃料の処理方法などの問題だ。しかし調査した結果、それはまだ取り返しのつかないほどではなかった。一番厄介なのは君達地球人の意識の低さだ。」 「意識の低さ、ですか?」 「そうだ。私は地球人が好きだ。長い手足に一人一人違う顔立ち、豊かな表情・・・宇宙広しと言えどもこんなに合理的で均整の取れた容姿の生物は見たことがない。そして大部分の者の善良さと言語や文化の多様性には特に感服している。だがな、ひとつだけ気にくわないことがある。それは多くの地球人が自らが暮らすこの惑星(ほし)の素晴らしさを知らないことだ。」
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