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「ジャンの話で彼らの目的や立場は理解してもらえたかな?」
後を託された結城さんが僕に尋ねた。
「はい、よくわかりました。それで僕は何をすればいいんですか?」
「えっ!?」
「ジャンさんがここに出入りしていると言うことは僕達にも何か重大な役割があるんですよね?僕にできることなら何でもします!」
今迄にないくらい胸が高鳴った。
地球の未来を守る為に異星人と力を合わせる日が来るなんて!
一体、何を命じられるんだろう??
僕はゴクリと生唾を飲み込み結城さんの返答を待った。
きょとんとしていた結城さんがいきなり破顔した。
「そうだね、僕達にも重大な役割がある。それはこの天文台をきちんと運営していくことだ。」
「・・・それだけですか??」
「それじゃあ通常の乗務と何も変わらないじゃないか、とがっかりしているね?」
僕の表情に物足りなさが溢れていたんだろう、結城さんはそれを読んで更にフフッと笑った。
「椎名くんの気持ちはよくわかるよ。こういう場合、次に何らかのミッションが用意されているのが定番だからね。でも今のところ申し訳ないくらいそういうことは無くて、さっきも言った通り僕達がすべきことはこの天文台を維持し、地下の司令室でジャン達が滞りなく任務を遂行できるようにすることなんだ。」
「司令室!?と言うか、地下があるんですかっ!?」
僕は結城さんの言葉に驚き、思わず大声を上げた。
入社してからの3ヵ月で天文台の中は隈なく見たつもりだったのに地下があるなんて全然知らなかった。
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