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結城さんは下を指差しながら言った。
「そう、地球上の各地域の拠点を統べる司令室がここの地下にあるんだ。地下はジャン達のスペースだから僕達が入ることは殆どない。まぁ、入ろうにも出入口がないから僕達だけでは無理なんだけどね。」
「あ、そうか!ジャンさん達はテレポーテーションで出入りするんですね?」
「その通り。ジャン達には誰にも怪しまれずに地球外の仲間達と連絡を取り会える設備が必要で、それをカモフラージュするのに天文台はうってつけの施設だった。そういうわけで7年前にジャン達の仲間の出資でこの天文台が建設されたんだ。」
「じゃあ、出資者の企業のトップと言うのは・・・。」
「みんなジャンの仲間だよ。ジャンは地球方面部隊の総司令官なんだ。ちなみにこの町にもジャンの部下が20名くらいいる。機会があれば紹介するよ。」
結城さんの答えに僕は唖然とした。
ホームページに載っていた出資者一覧の中には、世界的にかなり有名な大企業も少なくなかった。
その経営者の正体が地球外生命体だったなんて誰が想像しただろう。
そしてその地球外生命体の皆様を統括しているのが目の前にいる軍服を着たデグーのようなカワイイ異星人なのだ。
「ジャンさんってすごいんですね。」
お世辞でも何でもなく、自然とそんな言葉が零れた。
「そんなことはない。」
ジャンさんは少し照れたようにボソリと呟いた。
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