第三説 くねくね

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第三説 くねくね

「いやー、こうして鍋をみんなで囲むのも乙ですなぁ」  くねくねからの連絡があって二週間と三日が経った現在。  大家とメリーさんの部屋ではちょっとした鍋パーティーが開かれていた。  その場にはもちろん口裂けも。 「他人とお鍋を食べる日なんて、いつぶりかしらね」  ぐつぐつと煮えたぎっている鍋の中から白菜を掴んだメリーさんは、その白菜を冷ます為に小さな口で息を吹きかけている。 「私も随分ご無沙汰だったから、とっても美味しいよぉ」  口裂けも箸で上手に豆腐を掴んで、それを食べている。  因みに三人が食べているのは『しゃぶしゃぶ』で。  食材はメリーさんと口裂けの折半だ。 「と言うことは、二人は何処かで鍋をしたってことか?」  ポン酢で味付けをしている大家は鶏肉を一口。
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