プロローグ

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 これでもまだ納得出来ないと言うのであれば、次は携帯電話でおなじみの『メリーさんの電話』を紹介しよう。  これは題名通り、メリーさんから電話がかかって来る都市伝説だ。  元々の都市伝説としては、『メリー』と言う人形を捨てた女の子の元に電話がかかってきて、そこから。 「私、メリーさん。今○○にいるの」  と、言う言葉が聴こえ、電話が切れる。  しばらくするとまた電話がかかってきて、今度は別の場所にいると言う。  想像すれば、それは段々と自分の元に近づいてきている――否、戻ってきていると言うことだ。  そしてメリーさんの電話から聴こえるのは。 「私、メリーさん。今あなたの家の前にいるの」  ついに家の前まで戻ってきてしまった。  少女は恐る恐る玄関の扉を開けて確認する――しかしそこには誰も、何もいない。  ただの悪戯電話だと思った少女だが、最後にもう一度電話がかかって来る。  そしてこう聴こえるのだ。 「私、メリーさん。今あなたの後ろにいるの」――と。  その後、少女がどうなったのかは不明であり、それが『メリーさんの電話』だ。  だが、このメリーさんの電話は時代が過ぎるごとに尾びれ背びれがついて姿かたちが変わっていく。  そして広まった時には何故か、見知らぬ他人の携帯にメリーさんと言う人物から電話がかかってくると言う話だ。  ではここで考えてみよう。  何故メリーさんの話は大きく変わってしまったのか、と。  その答えも簡単だ。 “元ネタである話だけではメリーさんの知名度は上がらない”のだと。
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