犬系男子

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「……先輩、僕と飲みに行きたくなかったんですか?」 うるうるとした相変わらず子犬みたいな目で、見つめられる。 「……違うから。本当に、忘れてただけで……」 そこまで言うと、 「だったら、今から行きましょうよ?」 急に笑顔にもなって言われた。 「……今から?」 と、時計に目を落とす。 時間は、そろそろ夜の10時にもなろうとしていた。 「……でも、この時間から飲んだら帰れなくなるんじゃない?」 言う私に、 「少しだけだから、大丈夫ですよ。行きましょうって、先輩」 と、にこやかに笑う。 ああ、この顔に弱いんだよね……一瞬そう思って、「だったら、本当に少しだけね」と、頷いた。
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