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「……それで良くわからない裸の男と一緒に寝てるの見て俺自身よくわからなくなって出てきちゃった」
「ほぉ。智也の最初の相手か。少々気にはなるな」
智也と静雄が入っても後二人くらいは入れそうな大きな風呂で、静雄に後ろから抱えられながら智也は事の顛末を説明させられていた。
あの後二回を達成するために数時間を要した智也は解放されるなり気を失い、気づくと大きな浴槽で静雄と共に入浴をしていた。
そこで初めからゆっくりと今日の経緯を説明し、鍋島との関係も話し終わったところだった。
「多分俺は鍋島に手を出されなければ今も女と恋愛してたと思う。でも鍋島が俺に教えたから……」
「立派な色狂いになってこうしてるってか?」
「……鍋島が責任を持って俺だけを相手してればここまでならなかったと思うけど、アイツもアイツで女に手を出すんだから俺も俺で男に手だして問題はないと思う」
「まあ俺は智也に本命がいても気にしないけどな」
ちゅっと頭に口づけられ、恥ずかしくなって頬を染める。
体だけは繋げてきたが、鍋島とはこんな恥ずかしくなるようなことはしたことが無かった。
互いに溜まってきたら寝る。それだけだった。
だが元が友人という土台の上に成り立った関係の所為か、鍋島と居るのはとても心が楽になるのだった。
「俺は嫌かも。遊びとか割り切った関係なら良いけど……自分一人だけ相手してほしいとは思わないけど、本命は俺だけにしてほしい」
「体は軽いがえらく気持ちは重かったんだな。俺は智也と割り切った楽しいお付き合いをしたいから本命にはなれないがいつでも悩みは聞いてやろう」
「ありがと静雄さん」
「で結局智也の本命はその鍋島君なのか?」
静雄の問いかけは智也自身にも答えが分からず、笑って答えをはぐらかしたのだった。
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