気付いた時には

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 それだけ言うと丁度オーダーの呼び出しがかかったテーブルへ井伏は向かってしまった。  その日鍋島は表の仕事でなく、裏の仕事の割り振りだった。表でなく裏で本当に良かったと思いながら皿洗いの準備を始める。表の仕事だったのなら顔から拭いきれない悶々とした欲望を客に見せることになったであろう。  そのまま終業まできっちりとバイトを行い、案内されるまま井伏の部屋に上がりこんだ。  玄関のドアが閉められると勢いよく井伏を抱き込み、荒々しくキスをした。  智也と異なる高さにある唇とキスをすると少し腰が痛んだが、関係を持った女たちの背の高さもこれくらいだったと思い直すことにした。  笑いながらも鍋島のキスを受け入れ、自らも応えるように井伏は舌を絡ませてくる。  ゆっくりと羽織っていたジャケットを脱がせ、中に着ていたタンクトップを捲り上げる。小さな二つの頂はキスによって慎ましく立ち上がっており、少し強めにそこをつまんだ。 『っ痛!』 『嘘ですよね?痛くても萎えてないですもん……』 『アハハーばれたか』  痛みすらも快感として捉えてしまう井伏に劣情を抱き、そのまま玄関で井伏を貫いた。     
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