気付いた時には

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「きっと俺たちはこのまま年老いてくんだろ。でも今と今まででは気持ちが全然違う。表面上変わらないように見えても、俺たち二人の内面は大きく変わったと思わないか?」 「確かに。鍋島は相変わらず俺意外とも関係を持つし、いつか結婚もする。俺も鍋島以外の男に抱かれるけど、鍋島ともSEXする。でもお互いの一番が誰だかわかってるからずっと楽しい関係でいられる」  第三者が居たとしたら何も解決に至っていない二人の話し合いに頭を抱えた事だろう。  だが当事者たちはもう迷う事は無い。  答えは……道先は決まっているのだ。 「女の事はいくら抱いても構わないけど、男は俺だけにしてくれ」 「男にいくら抱かれてもいいが、女の事は抱かないでくれ」  同時に紡いだ言葉は、似ているようで全く違う言葉だった。  話し合いも終わったと判断したのか、鍋島は立ち上がると傍で座ったままの智也の腰を抱いた。  この後何をするか分からないほど子供でない智也も両手を鍋島の体に巻き付ける。 「なあ。いつか鍋島が結婚して奥さんが出来たら、奥さんが寝てる家でやろうぜ」 「それ良いな。智也に突っ込んだ後に嫁に突っ込むのも結構興奮しそうだな」 「じゃその時は俺に通話したままやってよ。俺はその音聞きながら違う男とヤってるからさ」  顔を寄せ合いキスをする。  それは場所が場所なら誓いのキスに見えたであろう。  だがそうはならなかった。  なぜならば、鍋島と智也は気づくのが遅すぎたのだから。
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