ずっとあなたが好きでした

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「あれ?あいつらどこ行った?」 「ごめん。私が浴衣着てきたから」  慣れない浴衣と下駄で歩くのが遅かったため、気づいたら友達に置いていかれてしまっていた。 「なんで?浴衣で嬉しかったんだけど」 「なに?襟足フェチ?ヘンタイ」 「ちっちがっ!」  慌てるのを笑い、友達へと電話をかける。けど繋がらない。この雑踏で着信音が聞こえないみたい。……というのは建前で、本当ははぐれるように頼んだのだ。こうして喋れなくなるのはイヤだけど、でもそれ以上に友達でいるのがイヤになったから。友達にはメッセージで『ありがとう!!!!!』と『後日詳細とかき氷奢るから』を送ってある。 「うーん……まあいっかぁ」 「なにが?」 「探しながら夜店見よっか。この人混みじゃ簡単に見つからないだろうからさ、二人で楽しもうぜ」 「……うんっ」  嬉しくて思わず満面の笑顔で頷いてしまったらしい。苦笑いしながら 「ひっでぇ女~~」 と悪女のレッテルを貼られてしまった。
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