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元々仲間内の中で仲がいいから話も弾む。夜店を素見しながら話し時間が過ぎていく。ほんと楽しい時間ってあっという間に過ぎていく。気づけば時間は八時半を回りお祭りも終りが近づいている。なのに私はまだ気持ちを伝えられてない。
「どうかした?」
「ん?なんでもないよっ」
嘘。なんでもある。ないのは時間と話題。残ってる話題はもう告白するくらい???今日こそ言おう!と思っていたけれどやっぱり無理!このままでいい。友達でこうして一緒にいられるだけで満足なんだよ~~!
……でも。もしここで私が言わなくて、結果誰かが告白してその人と付き合うようになったりしたら?それがイヤだから言おうと決めてきたんじゃん!
駅へ向かう人の流れの中、私の足が止まると釣られて横を歩いていた足が止まった。数回深呼吸をして……覚悟を決めるっ!
「あ……あのね、ごめん!」
「んあ?なに急に謝って」
「みんなとはぐれたの……わ、私の所為なんだ!実は女の子たちにはぐれてほしいってお願いしてて……その……」
「……」
黙って聞いてくれてるけど難しい顔をしている。怒ってる?みんなとお祭り回りたかったんだもんね?ほんとごめん!
「なんでそんなことお願いしたんだよ」
「それは……ずっと……す……好きだから……」
言ったー!!言っちゃったよ!!暑さが熱さに変わっていき、私は足元を見る。顔なんか見れるはずない。だってさっきすごく怒ってるみたいだったし……。
「だから……ずっと好きでした……」
「……なんだよそれ……まじかよ……」
はいもいいえも聞こえない。聞こえるのは雑踏に混ざった独り言とため息。ああだめかー。呆れられた?……しょうがないよね……。
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