金井翔太

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金井翔太

金井翔太は高校2年生に進級した。今日からこのクラスの一員になる。教室の窓から見える景色が少し低くなった。この教室は3階のど真ん中に位置する。この窓からなら校庭が一望できる。 1年生の頃は、4階の隅っこだったから、校庭は見えなくて、教職員の駐車場しか見えなかった。校庭が見えるのはいい。授業中、他のクラスの体育が見られそう。暇つぶしには持ってこいだ。 新しい教室に入ると、まず自分の席を探さなければいけないが、黒板に書かれた文字が見えたおかげですぐに、自分の席を見つけることが出来た。 「名前の順で着席」 その横には、このクラスの名簿が張り付けてあった。翔太の出席番号は4番。廊下側から一列目の前から4番目の席。 翔太は自分の席に荷物を置いて、周りを見渡した。徐々に新しいクラスメートたちが教室に揃い始めていた。1年の時に同じクラスだった奴もチラホラいる。 翔太の隣の席に座るのは高橋匠で、前に座るのが遠藤正。前と隣は普通に話せそうだけど、後ろの席に座るのが菊池由香って人。この子とは話せそうもない。何かを呪っているみたいな目つきをしている。ちょっと怖い。頼むから、俺は呪わないでよね。そう思いながら、自分の席に座った。
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