矢吹良介の告白

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「…腹は立つけど、おかげでやよいちゃんと一緒にいれたし」 「…意外とせこいね」 「まあ子どもだし。一緒にいられるならなんでもよかったんだよ」 「……………」 「転校してから…すごいさみしくて…よくあるじゃん。世界から色がなくなる、みたいな。あれだった。だから…塾で会ったときとかすごいよ。一瞬キラキラ~って、SSR虹演出みたいなの見えたからね」 「…………」 「で、いきなりやめるじゃん。腹立つよね~ほんと。絶対同じ高校行ってやろうと思って…やよいちゃんのお母さんにきいた」 「は!?」 「塾やめる手続きかなんかで来たんだと思うんだけど、たまたま会って、高校どこに行くんですか?ってきいたらあっさり教えてくれたよ」 ーーーーーーーー 「…で?なんでそんなこときくのかな?」 「え、あ、…えっと、…同じ高校…行きたいなって…」 「それだけ?」 「そ、それだけです!それ以上のことは何も考えてません!」 「なるほどね~………塾に懐かしいやついたって言ってたけど、君、小学校一緒だったでしょ」 「はい!」 「…そっか~……君か~」 「…?…な、なにか…言ってました…?」 「いや?特には。……小学校かぁ…長いね」 「…え?」 「…あの子、結構頑固だから頑張ってね~」 ーーーーーーーー     
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