最上弥生

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「教科書ないの?また取られた?」 「…別に…大丈夫」 「大丈夫じゃなくて、あるかないかをきいてるんだけど」 「…ない」 「…なんでこんなことするんだろう……子どもみたい」 「…子どもだよ」 「そっか」 ーーーーーーーー 『おいお前!もう最上に近付くなよ!』 『女に守られるよわむしやろう』 『最上って男みたいだよな!』 『ほんとは男なんじゃね!?けんか強そうだし!』 『もう学校くんなよ!』 「………………」 "最上のフン" "学校やめろ" "ボケ" "かえれ" 「…自分のノートに書けばいいのにね」 「…っ……やよいちゃん…帰らないの?」 「教室から見えたから」 「……………」 「…先生に言わないの?」 「…別に「大丈夫」」 「え?」 「別に大丈夫って言えば私が諦めるとでも?」 「……でもほんとにこれぐらい」 「たまにはびしっとしなきゃだめなの!ちょっと貸して!」 「だ、だめ!お母さんに知られたら…」 「……………」 「…お母さんが、心配するから…」 「じゃあ次何かあったら私が止める」 「それはだめ」 「なんで?やられっぱなしなんて嫌じゃん!」 「……お前は女だから引っ込んでろ」 「………はあ?」 「…お前にはかんけいないだろっ!」 「あっ、待って!」 …なんなの?あいつらにやり返さないの? ーーーーーーーー 「やよいちゃん。小学校のみんなとは明日が最後だから、思い残すことが無いようにね」 「はーい」 さいご、だから。 だから、もう会わない。
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