勝負

1/3

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ

勝負

「やよいちゃん!…やっと見つけた」 「……なんであんたがここにいる」 「…さて、なぜでしょう」 「…話しかけてこないで」 「うん。また一緒に勉強しようね」 「…は?…するわけないでしょ」 「えっ」 「…この際だからはっきり言うけど、あんたのこと小学校のときからずーっと嫌いだった。何されてもやり返さないし、いっつもひとりで……塾入ってからも…ずっと私が1番だったのに……勝手に…っ……きらい…ゆるさない………もう…話したくないし、会いたくない。さよなら」 「…んー…ちょっと何言ってるかわかんないけど、要するに…俺を抜きたいってことでいい?」 「……そう。…それと、…きらい」 「…好きの間違いでしょ。はいこれ」 「…っ…なんで…それ…」 「…最上さんが塾やめた後、机の中に残ってた。…たまたま見つけて…俺の名前が見えたから…つい………ごめんね?」 「…最低」 「…ごめんってば。ちゃんと俺から言うから…許して?………小学生のときから…ずっと好きでした。…僕と、付き合ってください」 「…絶対いや」 「…うーん…相変わらず頑固でかわいいね。…じゃ、1学期だけ待ってあげる。期末試験で順位が上だった方の言うこときく。で、どう?」 「……いいよ。…絶対負けないから」
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加