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「えっと、君は?」
「あっ、すみません!私の名前は篠崎春香といいます。あなたのお名前は?」
「俺は、天宮優斗って言います。」
(高校生活初日からいきなり女子と関わってしまうとは…しかもこんな美少女と!)
「天宮優斗…」
「え?」
「いえ!なんでもありません!」
(なんだ?)
その時、教室に背の高い女性が入ってきた。
「はーい、席につけー」
その言葉と同時に立っていた何人かの生徒が自分の席についた。
その中の一人である篠崎は、俺の隣の席に座った。
「またお隣ですね」
そう言って篠崎は少し微笑んだ。
「なっ!」
(なんだその天使のような笑顔は!しかし俺は騙されんぞ、そうやって何人もの男を手玉に取ってきたんだろ!)
俺は手始めに、篠崎に威嚇をした。
「今日から私がこのクラスの担任を務める前田菜々子だ、よろしく頼む。」
それからしばらくホームルームの時間がとられ、今日はそれで解散となった。
終礼が終わり、俺は帰る準備をした。
「あの、天宮さん」
「どうしたの?」
「えっーと、その…」
篠崎は恥ずかしそうな顔で俺を見つめてきた。
「私と連絡先を交換してほしいんですが…」
「あぁ、連絡先ね、それなら…って!連絡先!?」
(この女、見た目によらず手が早い!)
「ダメですか?」
(そんな顔で俺を見るんじゃない!)
「いや、駄目っていう訳じゃないんだけど、えーっと…あっ!俺今日用事あるから!」
優斗はすぐさま帰る準備を終わらせ、鞄を背負った。
「じゃー、また明日!」
そう言って俺は急いでその場を後にした。
「ゆうくん…」
俺は全速力で校門まで走った。
「はぁ、はぁ、いったいなんだったんだ。」
そこから駅まで歩いて行った。
(篠崎春香か、どこかで聞いたことあるような…いや、あんな美少女会ってたら忘れるはずがない!じゃなくて!俺の充実した高校生活を過ごすためにもこれからのことを考えなくては…)
そのまま俺は考え事をしながら、帰り道の途中で今日の夜ご飯の買い物をして帰った。
次の日、俺が玄関を開け学校に行こうとした。
「なっ!」
玄関を開けると家の前に篠崎が一人で立っていたのであった。
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