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それから俺と柄本は中学生の頃について話し合っていた。
「柄本くんってどこの中学?」
「司でいいよ」
「じゃぁ、司はどこの中学?」
「俺はこの高校の近くの杉並中だけど、優斗は?」
「俺!?俺は立石中学…」
「立石!?めっちゃ遠いじゃんか!なんでここに来たんだ?」
(「それは中学の頃いじめられたからさ!」なんて、口が裂けても言えない…)
「家の事情でさ…」
「悪りぃ、変なこときーちまって。」
「いや!全然大したことないから!気にしなくていいよ!」
(なんていい奴なんだ!)
「ところで、優斗は部活には入んのか?」
「今のところ入るつもりはないけど、司は?」
「俺は陸上部だ!走るのが好きだからな!」
俺と柄本が話してる最中に、一人の女子生徒が近づいて来た。
「あのー天宮くん?」
(誰だ俺と司の邪魔をするのは…って女子!?平常心、平常心…)
「ど、どうしたの?」
「前田先生が天宮くんを呼んでたから…」
「優斗、お前何かしたのか?」
「何もしてないわ!」
「いいなー、俺も前田ちゃんに呼ばれたいわー」
「あーゆー人が好みなんだ…」
「あのー」
「あっ、ごめん!えっーと、渡部さんだよね?」
「名前覚えててくれたんだ!直美でいいよ!」
「…分かった、直美さんはこのクラスの委員長だからね」
「うん!」
「じゃ、前田先生とこ行ってくる。」
俺は弁当を片付け、教室を後にした。
職員室に着くと、一番端にある前田先生の机へと向かった。
「あのー前田先生、自分に何か用ですか?」
「遅かったじゃないか天宮。」
(急に呼び出したのはそっちじゃないか…)
「お前、部活の入部届けを出してないみたいだが?」
「自分は部活には入りません」
「そうか、ならいい。」
「それだけですか?」
「それだけだ、もう行っていいぞ。」
「あっ、はい…」
俺は一礼し職員室を出て、自分の教室へと戻っていった。
(結局なんだったんだ…ん?)
教室へ戻る途中窓を見ると、屋上で誰かが立っていた。
しかし、その立っていた場所は、一歩前に進めば落ちてしまうような場所だった。
(危ない!まさか…死ぬ気なんじゃ!)
俺は気づけば屋上に来ていた。
そこで見たのは長い髪で、目がとても大きく、凛とした女子だった。
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