生徒会室は仕事場です。

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生徒会室は仕事場です。

「遅っせぇんだよこの馬鹿犬が――……って、おい何だそれ」 「わんわん、俺の。可愛い」 「は?」 書記さまの回答に目を見開く美形ども。 揃いも揃ってちきしょうめ。 平凡だからってなめんなよ、じゃなくて。 無理やり担がれ、眩暈と吐き気に襲われながらようやくたどり着いた先は、どうやら生徒会室だったみたいです。 名前とかは知らないけど多分、会長・副会長・会計・庶務さまと思われる四人にすごい顔で凝視されてるし。 書記さまと俺を交互に何度も……ってちょっと怖い。 「わんわん怖がる、から。会長たち、あっち行け。こっち見るな」 「はあ!?」 「ひぅっ!」 会長さまとおぼしき男前から射殺さんばかりに睨まれ、書記さまの服を握り締めた。 び、ビビりで悪いか。 よしよし、と身体をさする書記さまの手に少し安心――って、あれ? いつの間にかお姫様抱っこと近い状態じゃないかこれ。うわちょっ、恥ずかしい。 お年頃な男子高校生としてのメンツにかかわるから、今すぐ止めてぇぇえ! 「貴方は何を考えているのですか。ここは一般生徒の立ち入りを禁止している筈でしょう」 「何かもがいてるし、その子。時間も無いんだからさっさと帰せばぁ?」 「ヤ、だ……わんわん一緒にいる」 「あのぅ、さっきから『わんわん』って何ですか先輩」 「テメエ自身が犬だろうが、この馬鹿犬。おら手ぇ離せ」 ガブリ と書記さまが、会長さまの手に噛み付いた。 ――ように見えた。 「うおぁっぶね、何しやがる!」 「わんわん、俺の。会長、触っちゃダメ。それと今日からここ……わんわんの、遊び場所」 「は?」 思わず俺も驚く。 生徒会室が遊び場所って、何。 つかどうして俺を連れて来たんだ。 「俺が仕事しない……と、わんわん嫌がる。でも離れるの、ダメ。だからわんわん、遊びながら一緒にいる。ここ、で終わるの待ってる」 「いいいいやちょっ、待っ!?」 「馬鹿犬が馬鹿なこと言ってんじゃねーよ。ふざけてるのかお前、却下だ却下」 .
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