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「わんわん、と一緒じゃないなら……書記、辞める。辞めたら仕事、必要無い。わんわんに嫌われ、ない」
ええぇえッ!?
「冗談ですよね、先輩の書類処理能力は現生徒会の中でもズバ抜けているんですよ? お世辞じゃなく本当に凄いんです、一番なんです。そんな人が辞めたら、残りの生徒会なんか僕を含め正直クズ同然になってしまいます」
「俺らがクズって……まぁ確かにワンコ書記の能力は認めるけどさぁ。今年の庶務は一年生のくせに、先輩に対する尊敬とか言い方ってもんがなってないよねー。
それよりもぉ何、ついにワンコ書記にも春が来ちゃった訳? ねぇねぇ君さー、ただの平凡にしか見えないのにどうやってうちのワンコを手懐けたの。やっぱ下ネタ系? でも書記って確かそっち系は淡泊な筈だしぃ。ん~知りたい知りたい、教えてー」
「うっせ黙れチャラ会計。無駄に語尾をのばすな、わざと鼻にかけて発音するな、ついでにその服装も何とかしろ。あと香水臭せぇ!」
「今、香水とか関係無いじゃん。会長酷いよーいじめっ子、虐めカッコ悪いー。てか『チャラ会計』って、料金がタダになりそー。せっかくだし何か奢ってよ会長ぉ」
「はあ!? 殴るぞテメ!」
「会長も会計も静かにしてください、書記の話を聞くのが先でしょう。まったく……さて貴方の真意をもう一度ちゃんと聞かせてください。書記を辞めるなんて勿論、嘘ですよね」
くるり、と振り返った副会長さま。
だがしかし。
肝心の書記さまは皆様を無視して携帯電話を弄ってます。椅子に座り、膝には俺を乗せた状態で。
皆様の顔がひくついてるんですけど。
うっ、腹に回された書記さまの片腕が邪魔で逃げられない。せめて座る場所だけでも自由にさせてぇぇえ!
「わんわん、暴れたら危ない。落ち着い、て」
「ひゃっ!?」
膝の上でジタバタする俺に気付いた書記さまが、携帯電話を机に置き、シャツの上から身体を撫でてくる。
「ちょっ、止め、あはははっ離し……ふゃっ、くすぐ……ヒャハハハ……た、助けっ」
「わんわん、お腹撫でられる、の嬉しい? もっと?」
いや、くすぐったいから止めて!
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