人の話を聞きましょう。

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人の話を聞きましょう。

長々と続く隊長さんの話を子守唄に、俺はいつの間にか眠っていたらしい。 膝の上に乗せられたまま書記さまの胸に背中を預け、腹に回された腕を毛布代わりに……人の体温って妙に安心するし、ぬくいんだよね。それにほら、色々あって精神的にもスッゲー疲れていた訳で。 あと書記さまが絶妙な感じにあちこち優しく撫でてくるから。最初は少しくすぐったかったんだけど、次第に気持ち良くなりまして――。 が、それがいけなかったようです。 目が覚めるとそこには 何か知らんが瞳を潤ませ、やたらと感動している生徒会役員さまたちの姿があった。 えっと隊長さん? あなた一体、どんな説明をしてくれたんですか。 しばらくボーッと寝ぼけながら、目の前の美形どもが何事かを話し合う様子を眺める。 連発される「わんわん」の単語とやけに真剣な表情……。むう、また眠くなってきた。 「わんわん君を役員補佐に?」 「ええ、さすがに一般生徒を生徒会室で遊ばせるわけにはいきませんから」 「なるほど、副会長あったまいー」 うん? いきなり『役員補佐』とか言い出したのは副会長さまですか。 いやいや、一般生徒以外も遊んじゃ駄目だろ。むしろ余計に怒られるでしょ。 ツッコミどころが多すぎる会話の内容に、思わず眠気も吹っ飛んだ。ようやく頭がはっきりしてきたので反論しようと口を開きかける、が。 「あ、起きた? 良かったねぇ雑種のノラわんわん君。副会長のお許しが出たから、これからは毎日ここで遊べるねー。ご主人様のワンコ書記と離れなくて済むんだよ、幸せだよねー?」 「先輩、これで生徒会を辞めなくても大丈夫ですね! 英断ですよ副会長、僕初めて貴方を見直しました。わんわん君もこれから宜しくね」 「チッ……まぁ仕方ねぇ。飼い主に逢いたくて必死に頑張って人間になったんだ。その忠犬魂、今回ばかりは認めてやろう。おい馬鹿犬、その雑種ノラはもちろんトイレの躾済みなんだろーな?」 「ああ、そういえば餌は何が良いのでしょう。今すぐ高級ペットフードを取り寄せましょうか? 首輪やリード、犬用玩具やノミ取りシャンプーとリンスも必要ですし。犬小屋の設置はこの辺りで構いませんよね」 …………。 .
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