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あれ? 何か足元ふわふわ。耳もよく聞こえないや。あはは、もしかして今現在進行形で夢でも見てるのかなぁ。
親衛隊長さんがマイクで何か話した後、書記さまも多分片言ながら喋っているのであろう姿をぼーっとした頭で、他人事みたいに眺める。
次の瞬間。
ワッ!! という爆発的な大音量に鼓膜が破れそうになった。なな、何事!?
壇上から見えるのは笑顔で拍手喝采する全校生徒の姿。
「書記さま、今度こそわんわんと幸せになってください」
「わんわん頑張ってー」
「補佐になってご主人さまのお役に立つんだぞ、わんわん」
「本当に良かったなーわんわん」
「諦めないって凄いことなんだな、映画めちゃくちゃ感動したわ」
「僕なんか、さっきの映画見て泣いちゃったし」
「俺も実家の飼い犬に会いたくなった」
「うちのペット、猫だけど元気かなぁ」
そんな様々な声が聞こえる。
えーっと、何がどうした。
しかも数時間前に見た書記さま親衛隊たちの大団円(ただし俺抜き)と、デジャビュ?
自分で言うのも何ですが、非常に間抜けな顔になっているであろう俺。
繋いだ手をギュッと握られ見上げれば、嬉しそうに笑う書記さま。
「皆、わんわんのこと……補佐になるの、認めてくれた!」
「え」
「お二人とも良かったですね。これで制裁はありません。安心してくださいね」
えええーー!?
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