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「でも、お菓子は二回、だけ」
「何を偉そうに言ってるんですか。一回だろうが二回だろうが変わらないっつーか、同じ手口に引っ掛かる時点でどうなんだよ、アンタ本気で部下(警護班)なめてんですかこのやろう」
無駄に表情をキリッとさせ二本指をこちらに向けた書記さま。
それを見て、こめかみに青筋を浮かばせる隊長さん。
この人たまに口悪いよね。
……お疲れ様です。
「まあ、子供の頃の馬鹿犬は今と違って背も小さかったし大人しいっつーか鈍臭すぎて、誘拐する側もメチャクチャ簡単だったんじゃねえか?」
「そういえばそうですね」
「うん。昔のワンコ書記だったら今の俺でも楽~に身代金手に入っちゃうわ」
「幼い頃の先輩は本当に可愛かったですもんね」
「え、皆さま子供の頃からのお知り合いなんですか?」
「家のランクが近いと、パーティーなんかで顔を合わす機会も多くなるんだよ。だからって別に親しくはなかったがな」
つまらなそうに答える会長さま。
この場合のパーティーって、きっと普通の子供向けお誕生日会とかじゃないんだろうな。
コホンと咳ばらいをする隊長さん。
「幼少時の書記さまは確かにお身体も弱く病気がちでした。同い年の方に比べて反応がどんくさ……多少おっとりさんだったのも否めません」
「俺……昔かい、ちょに意地悪、された」
「あ? お前がトロすぎて見るだけで苛々したんだよ。今更睨むんじゃねーよ馬鹿犬が、図体ばっかでかくなりやがって」
がるるる、と今にも唸り声をあげそうな書記さまに睨まれ、不満顔の会長さま。
「まあまあ、落ち着いてください二人とも」
副会長さまが席を立ってなだめるのに対し、
「いいぞワンコ書記~仕返しに会長を倒しちゃえ!」
なんて無責任に煽る会計さま。
しかもソファーに後ろ向きで乗り上げてます。お金持ちなのにお行儀悪いね。靴でテーブルのお菓子を蹴られやしないかちょっと心配です。
えっと。
最近よくこんな場面を見るようになって思うんだけど、気心の知れた友達同士って感じで皆様ホント楽しそうだよね。
じゃれあいながら喧嘩するみたいな?
あんまし普段学園の皆が抱いてる生徒会のイメージ(美形セレブ集団)とは結び付かないんだけども。
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