2 脚本 第1話分

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2 脚本 第1話分

 【本編】1話 脚本 ※()内は心の声  森の中。彩り豊かな鳥や虫が舞っている。地面には細い街道があり、そこを駆け抜ける一つの影。  カレン「ハァ……ハァ……ハァ」  馬に乗りながら、人影は苦しそうに喘ぐ。軽装の騎士鎧の肩や背中に幾つかの矢が刺さっており、マントや服に血が滲む。痛みを堪えるように歯を食いしばり、肩まで伸びた赤毛が風になびく。  兵士1「そっちに逃げたぞ!」  兵士2「逃がすな! 追え! 追え!!」  背後から追っ手の声。次いで弓矢も飛んでくる。当たりはしないが何本かは身体を掠め、新たに出来た傷にカレンは顔をしかめる。馬は全速力で街道を走り、一度は森を抜け出す。開けた平野を一直線に駆け抜けると、背後の森から追っ手の軍がわらわらと顔を出す。  兵士3「止めろ! 殺せ! 殺すんだ!」  一斉に射かけられる弓矢。当たりそうな幾つかの矢を腰に提げた剣を抜いて叩き落とす。すると真横の森から三人の騎馬兵が現れ、槍を構えたまま速度を落とさず押し迫る。  騎馬兵1「死ねェ! 逆賊め!」  カレン「ッ!」  手持ちの剣を盾に、間一髪で最初の一撃をいなす。両方の馬が押し合い、カレンの馬が騎馬兵の馬に押しやられる。一直線のコースが外れ、押し込まれるカレン。騎馬兵がにやりと笑う。  カレン「王国騎士を舐めないで!」  カレンは騎馬兵の槍を弾き、剣を持たない方の手を騎馬兵達に翳す。赤く光る魔法陣が手の平に発生。一瞬驚愕する騎馬兵。  カレン「爆ぜよ炎! 『ファイアバースト』!」  魔法陣が一際輝くと、騎兵達の足下を馬ごと小規模な爆発が襲った。最初の一騎が馬ごと前のめりに倒れ込み、後の騎馬兵達は慌てる馬を落ち着かせつつ立ち止まる。  カレンはしてやったりと微笑み、直ぐさま元のコースに向かうよう馬を操る。その後を追う者は誰もいない。カレンは前へ向き直る。  カレン「待っててみんな……マリア……! 今助けに……!」
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