夕陽に誘われて

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「クリパの買い出しって、これだけか?」 「おう、こんなもんじゃね?」  清水先輩の死の衝撃からようやく立ち直った12月半ば、クラスのみんなでクリスマスパーティーをやろうということになった。パーティーは、明日の終業式の後、教室を借りて行われる。俺達は、その買い出し班に当たってしまった。  野郎四人で大量の袋を下げて歩く帰り道、早くも辺りが薄暗くなってきた。 「そういやさあ、清水先輩が亡くなったのも、こんくらいの時間だって話だよな」  突然、誰かが言い出した。 「何だよ、急に」 「いや、何でか思い出しちまって」  歩道橋の上からふと横を見ると、沈んでいく綺麗な夕陽が目に入った。 『綺麗な夕陽を見ると、夕陽に向かって飛びたくならない?』  人間が、空を飛べる訳がない。 『沈んだ夕陽の先には、きっと別の世界があるのよ』  別の世界って、何すか? 『行ってみたら、分かるんじゃない?』  そうっすね……
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