第二話

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その指輪のせいで、私は幸せになれなかったの。 やっと外れたんだもの、要らないわ、そんな、呪いの指輪――。 ――――――――――――――――――――――――――― 「りーちゃーーーーーんっ!!!!!」 翌朝、教室に着くなり、万桜はりーちゃんに飛びついた。 「はっ?なに万桜、どうしたの!?」 「りーちゃん、りーちゃんっ……!!!」 半べそをかきながら、ちょびっと鼻水も垂らしながら、ぎゅうっと抱きしめる力を強くする。 「万桜、ちゃんと話してくれなきゃわからないから」 そう言って、万桜のカーディガンのポケットからハンカチを取りだすと、ぽんぽん、と鼻水を拭いてくれる。 決して自分のを出さないあたりが、りーちゃんらしい。 「違ったの!思い出したの、あの指輪っ!昨日、拾って、渡そうとしたときにはもう女の人はいなかったって言ったけど、そうじゃなかった!」 「どういうこと?」 「本当は、女の人はいて、渡そうとしたの。だけど、そしたら女の人が言ったの。『要らないわ、そんな、呪いの指輪』って……」 「呪いの指輪?」 こくん、と頷く。 「万桜」 ん?と顔をあげる。 「そのこと、どうやって思い出したの?」 「今日……ん?昨日の夜になるのかな?夢で見て、あ!そういえばそうだったって」 「……」 「りーちゃんどうしようー!このままじゃ私、幸せになれないよぉおお」
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