第二話

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「りーちゃんっ!!!」 「え、幸せになれない?」 覗きこむように万桜を見つめてきた碧くんと、ばちっと視線が絡む。 「どうして……?」 「あ、ち、違うの!えーと、その、なんというか」 爆弾を落とした張本人、凛々子様は、我関せず、と、手に顎をのせて窓の外を見ている。 「……万桜」 「あ、はい」 ごくり、と唾をのむ。 「俺は万桜といて、万桜と付き合えて幸せだなって思ってるけど、万桜はそうでもないのかな?」 ――へ? 「あ、ごめん……!俺、何言ってるんだろう……!」 碧くんが、恥ずかしそうに口元を手で隠す。 「……俺、万桜のことになると、全然余裕がないんだ。その、万桜が、好きすぎて」 ――う、 うぁああああああああああっ!!!!! ど、どうしようっ!私今、絶対顔真っ赤だ……!!! 止まらない。 リフレインが止まらないっ! 『俺は万桜といて、万桜と付き合えて幸せだなって思ってるけど』 『万桜のことになると、全然余裕がないんだ』 『俺、万桜が、好きすぎて』 『万桜、愛してるよ』(幻聴) うぁあああああああああああっ!!!!! と、万桜がチンチンに茹で上がったそのとき、 タイミング良くチャイムが鳴って、碧くんは自分の席に向かった。 万桜は金魚のように口をぱくぱく、とさせながらも視線を彷徨わせていると、窓の外を見続けていたりーちゃんの耳は赤く染まっていて、 クラスメイトの女子たちの頭からも、ぼわぼわと湯気が立ち昇っていた。
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