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今日も一日、無事に終わりました。
と、思ったら。
「万桜、今日、委員会だよね?」
SHR終わりに声をかけてきた碧くんの言葉で、万桜は現実を思い出したのです。
「わ、忘れてた……」
「俺、今日予定ないから終わるの待ってるよ」
「えっ!」
碧くんと、ばちっと視線がぶつかる。
「……」
「……」
――は、恥ずかしいっ!!!!!
あれから、いつもどおり、休み時間の度に碧くんは万桜の席に来てくれたけど、なんだかお互い恥ずかしくって、ときどきこうして無言になってしまう。
――うぅうっ!!!
また思い出しちゃったよぉっ!
万桜、愛してる。万桜、愛してるって……!(言われてません)
「えっと……ごめん、な」
「えっ?」
碧くんの声のトーンが下がった気がして、万桜は心配になる。
「あんなこと言われて、嫌だったよな?」
「――なっ!!!」
「俺、本当にかっこ悪――」
「そんなことないっ!!!!!」
思ったよりも大きな声を出してしまい、咄嗟に、万桜は口元を押える。
だけど、ちゃんと伝えないと。
ちゃんと、伝えたい。
「嬉しかったよ、すごく」
すごく、すごく嬉しかったのだ。
「本当に?」
「うん。碧くんにあんなに好きって言ってもらって、嬉しくないわけないじゃん!」
かああああ、と顔が熱くなる。
だけど、私の本気の気持ちが伝わって欲しいから、頑張って目を逸らさないようにする。
「万桜」
「はい」
「キスしていい?」
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