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この指輪は、君を永遠に××××××。
君の前に、××××××その日まで――。
―――――――――――――――――――――――――――
左手薬指から、指輪を引っこ抜こうと必死になっていたときだった。
「蓮佛さーん、学祭委員決定だけど良い?」
――え?
口をぽかんと開けたまま教卓を見ると、学級委員の渡辺さんが苦笑いしていた。
教室中の視線も、万桜に向けられる。
「挙手しなかったの、蓮佛さんだけだから」
一人一役は必ずあるよ。早い者勝ち。聞いてた?
――えっと……。
聞いてなかったです。
なんて言う勇気もなく、
「やります……」
と消え入りそうな声で呟く。
――うぅっ、学祭委員とか一番大変なヤツじゃんかぁ……。
最悪だ……。
と、万桜が落ち込んでいると、
斜め前に座る、八神碧が振り返った。
(だ・い・じょ・う・ぶ?)
口をパクパク開けて、心配げに万桜を見つめている。
こくこくっ。
万桜は小動物のように頷く。
尻尾を振って、好きっ!と言いたい。
――優しいっ!碧くん超優しいっ!!!
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