第一話

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委員会決めからのSHRが終わると、碧くんが万桜に駆け寄ってきた。 「万桜、大変なの当たっちゃったね」 「碧くん……」 「俺に手伝えることあったら何でもするから」 ――碧くーんっ……!!! 「でもごめんね、今日は生徒会があるんだ」 万桜も気を付けて帰るんだよ、またラインする、と頭にぽん、と手を置き教室を出ていく。 ――あぁ……やっぱり碧くん好、 「まーおっ!」 「うわぁっ!」 ――び、びっくりしたぁっ……! 「りーちゃん!」 碧くんと入れ替わりにやって来たのは、高校からの友達の杉咲凛々子(すぎさきりりこ)。 あだ名はりーちゃん。 「相変わらず、愛されてるねぇー」 りーちゃんはニヤニヤニヤニヤ、なんだか楽しそう。 「そ、そうかな」 思わず顔が赤くなる。 そう。 碧くんは、王子様みたいな綺麗な顔をしてて、優しくて、勉強ができて、スポーツもできて、生徒会に入ってて、友達からも慕われていて、 万桜の、彼氏。 中学の卒業式のあと、ずっと好きだった、と告白されて。 家が近所で幼稚園からの幼馴染だったけど、仲が良かったのは小学校の高学年くらいまでで。 だから、告白されたときはびっくりしたし、そもそも好きってどういうことか、まだよくわかってなかった。 だけど、私のことを好きだって言ってくれる人なんてもう二度と現れない!と思って半分勢いでオッケーしちゃって。 良かったのかなぁって思ったときもあったけど、今は、当時の自分を思いっきり褒めてあげたい。 だって。 碧くんは、とっても優しくて。 連絡もマメにしてくれて、いつも気遣ってくれて。 大事にされてるって、毎日実感できるの。
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