女子高生『は』拾わない。

7/7
22人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
※オマケの後日談※ レイは涼子のマンションの前にいた。首輪と犬耳カチューシャを付けて。 「あ、あの、猫も拾わないって言ってたから、犬ならどうですか?」 怯える仔犬のような眼で涼子を見上げる。 その表情は、涼子の胸にキュッ締め付けるような心地よい痛みをもたらす。 涼子は、レイが何をしても「拾わない」と言うつもりだった。 そうすれば、次の日もレイは何らかのチャレンジをするはずだ。 色々な表情のレイを見てみたいと思っていた。 だが、涼子の手は自然と伸びて、レイの頭をなでていた。 「仕方がないから拾ってあげようかな」 そう言うと、仔犬にするように、両手でレイの頬を包み「いいコね、レイ」とささやいて軽くキスをした。 我慢をしようと思ったが、無理だった。 レイの笑顔をもう一度見たいと思ったときには、すでに落ちていたのだから。 「まあ、コスプレはこれからいろいろ見せてもらえばいいか」 涼子はつぶやきながらレイの手を取り、部屋に招き入れた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!