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いつも通りの道を通っているときだった、その道中で私の耳にとある話声が聞こえてきた。
「どうしてーーー」
どうやら、私の扱いを酷く思ったらしい、後輩が顧問に訴えているらしい。不当だ、と。
嬉しかった。後輩にこんな風に言ってもらえるのはすごく、すごく嬉しかった。
けれど、この先、この後輩が顧問と仲が悪くなってしまうのではないかと不安になった。
そして単純に、この顧問が、嫌いで嫌いで仕方がなかった。
「ちょっと待ってください。……本当に、小南先輩がチームプレーに向かないから、落としたんですか?」
ドクン、ドクン、ドクン。
自分の心臓の音が酷く煩かった。
足がぶるぶると震え……いや、違う。体中が震えて止まらなかった。
私は、その言葉を、真正面から聞いた事が無かった。今まで、もしかしたら自分の実力が、本当にチームプレーが向いていないのかもしれないと、そう考える事で、なんとか我慢してきていた。
けれど、その顧問の口から溢れでた言葉。
「ーーーそんなわけないだろう? 単純に俺が、アイツのこと嫌いだからだよ。はっ」
その言葉を聞いた瞬間ーーー胸がぐちゅぐちゅと燃えるような感覚にーーーなると同時に、私の隣にいた彼が突然走り出した。
「え?」
彼の行動がよく理解出来なかった。
なぜ彼は走っているのだろうか?
どうして、なんで?
そして、そんな疑問はすぐに解決する事になった。
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