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最近、朝練が増えてきた。
もうすぐ夏の大会がある為、部員達も全員必死だ。
レギュラーである者は、大会に勝つために。レギュラーで無い者は、レギュラーとして大会に出場する為に。
そこには明確な意識の差がある。
けれど、それは別に悪いことじゃあない。全員が必死になって練習さえすれば、きっとそれは、チームのためになる。
「さっ、外周行くぞー」
「「「おおお」」」
キャプテンの掛け声に、部員達が続く。
俺もキャプテンの後を追った。
多分、きっと、恐らく、俺には実力も根性も何もかもが足りていないのかもしれない。
けれど、俺にだってプライドくらいはある。
いや、プライドとは違う。
これはプライドなんかじゃ、ない。
多分これは、彼女との約束を果たそうとする、僕なりの『根性』だ。
「おおおっ」
周りの部員から、珍しいモノを見る目で見られたが気にしなかった。
晴天の下、今日も朝から走る。
目標に、彼女との約束に向かってーーー。
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