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「大会出場選手の発表は、後日する。くれぐれも全員、明日は休まない様に」
「「「はいっっ」」」
顧問の言葉に、選手全員が頷く。
とうとう明日である。
僕、いや部員の大半にとって、大会よりもひょっとすると大事なレギュラー発表。
これによって、最後の大会が、ただの応援で終わるのかどうかが決まる。
もちろん。応援になった時は、全力で頑張ろうとは思っている。
ここにいる全員が全員、誰かしらに支えられて、この部活は成り立っている。
それだけは忘れてはいけない。
周りを見渡すと、緊張している生徒と、そうでない生徒の真っ二つに割れていた。
普段から確定レギュラー組にとっては、当たり前の通過点なのだろう。
しかし、僕ら非レギュラー組にとっては、明日が勝負。
頭の中で彼女の声が反芻する。
『約束ーーー』
うん。
守る。守りたい。
どうにかして、叶えたい、守りたい約束を思い出して、僕は固く拳を握った。
じんわりと手のひらに汗が滲んだ。
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