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「最後ーーー神木 俊之助」
「は、はいっ」
突如呼ばれた自分の名前に驚きながら、僕はなんとか返事を返す。
ここまで呼ばれず仕舞いで、結局レギュラーにはなれなかったか……と諦めていた中での、予期せぬ事態。
どくん、どくん、どくん。
多分。これまでずっと部活をやってきた中で、一番に興奮している。そのせいか胸の高鳴りが治らない。
認められた。俺が。出れる。守れる。
色々な思いがごちゃ混ぜになるが、結果的に導き出された結論は……嬉しいだった。
こんなにも、胸が熱くなった事はなかった。
「それじゃ、次、ベンチメンバー!」
そうして次々と呼ばれていく部員達。
その中には、レギュラー漏れの悔しさから、泣きそうな者もいた。
俺は、それに対する罪悪感を少々抱きながらも、彼女に今日笑って話しかけられそうだと、そんなことを思った。
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