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それから、日々が駆け足気味に過ぎていった。
僕は今までよりも一層、部活に精を出し、必死で頑張った。
だが、時折彼女の顔を思い出し、どうすればいいのかと考える。
今まで、自分が彼女にしてきてもらった恩を、感謝を、この機会に返せればなとも思う。
今の自分は彼女のおかげだ。
そう自身を持って言えるからこそ、そんな自分なんかが彼女に何かしても良いのか不安だった。
だけどやらなければならない。
きっと、彼女と仲の良い人達でも良いのだろう。同じ部活仲間とか、同じクラスの人とか。
……けれど、多分それでは、駄目なのだとも思う。
約束を交わした自分が、彼女のあの表情を知っている自分が、彼女を大切にしたいと思っている自分が、彼女に感謝している自分が、彼女の事が大好きな自分がーーーやらなければならないのだ。
そこに、覚悟とかは必要なかった。
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